夏に欠かせないのが氷。冷たいものばかりを摂るのは体に悪いと分かってはいても、ついつい氷を欲してしまうという人も多いのではないでしょうか。今回はそんな氷に関する便利な裏技を5つ集めました。いざという時役に立つライフハックを覚えておけば、暑い夏も楽しく&賢く乗り切れるはず。

最短30分! 時短で氷を作る裏技
暑い季節になると氷を作るのが日課になる人も多いかと思います。中には、「作っても作っても氷が足りない! 追いつかない!」と嘆くママもいるかもしれませんね。かくいう我が家も、小学校や幼稚園に持っていく水筒に加え、スポーツの習い事がある日は、さらにプラスで水筒、氷のうにも氷を使うため、この季節、冷蔵庫の製氷機はフル稼働です。
必要な道具はふたつだけ
毎日作っていても、「いつの間にか家族に使われていてなくなっている!」という日や、「そもそも氷を作り忘れていた!」といった日もあるのですが、皆さんもありませんか? そんなときに使えるのが、SNSでも流行中の、アルミのトレイとアルミカップを使って氷を作る裏技です。
やり方はとても簡単で、アルミのトレイの上にアルミカップを並べ、そこに水を注ぐだけ。熱伝導率の高いアルミを使うことで、普通の製氷皿を使うよりも早く凍らせることができるのです。

ポイントは、水を注ぎすぎないようにすること。入れすぎてしまうと、当然ですが氷ができるまでに時間が掛かってしまいます。

ひとつのアルミカップに大さじ1杯(15mL)ずつ程度入れたところ、我が家の場合は、45分ほどで全て中までしっかりと凍りました。温度設定や冷凍庫内の状況などにもよりますが、SNSを見てみると「30分でできた!」という人も。すぐに氷がほしいというときにとても便利な時短テクですね。
お湯の方が早く凍る!?
ちなみにこの裏技、水ではなく沸騰したお湯を入れるとさらに早く氷ができるという説があるのを知っていますか? この“お湯は水よりも早く凍る場合がある”という現象を“ムペンバ効果”と呼ぶらしいのですが、この現象が起こる理由は、まだはっきりとは解明されていないようです。
そこで、私も実験をしてみました。沸騰したお湯20mLと冷たい水20mLをそれぞれ1時間冷凍庫に入れました。条件を揃えるため、冷凍庫内の同じ場所に置き、どちらも途中で扉を開けていません。
結果がこちら。分かりやすいように藍色のお皿に乗せています。

お湯から凍らせたもの

水から凍らせたもの
中の透明な部分は、まだ凍りきれていない水の部分です。お湯から凍らせた氷の方が、中の水の部分が多く残っていることが分かります。ムペンバ効果とやら、起こらず……。気になる人はぜひ試してみてください。
夜までもつ、水筒用氷の作り方
通学路の長い小学生ともなると、水筒を2個持ちという子も少なくありません。学校や登下校中のクールダウンに冷たい飲み物は最適です。そんな水筒に入れるのにぴったりな氷をジッパー付き保存袋と割り箸で作ることができます。
まず、ジッパー付き保存袋に3分の1から半分ほど水を入れます。次に袋の中の空気を抜いていきます。

空気を抜くときは、写真のようにテーブルや作業台の角に水のフチを当て、袋の口を寝かせたまま、ゆっくり下に降ろしていきます。その際、袋の口は、はじめに真ん中を残して左右の端だけ閉じておきます。そうすると、中の空気が抜けきったあとスムーズに口を閉じることができます。

次に、割り箸で袋を挟み、仕切っていきます。あまり大きく仕切ると水筒に入らないので、水筒の口の大きさに合わせて仕切るようにしましょう。写真は、割り箸がジッパー付き保存袋の端まで届いていませんが、この程度であればこのままでOK。凍ったあと、タオルで包みながら力を入れれば、バキッと簡単に折ることができます。

完成したらあとは水筒にスルッと入れるだけ。

スポーツ用のスクイズボトルの氷は、暑い日にはあっという間に氷が溶けてしまいますが、この水筒用の氷を2、3本入れておけば、いつもより冷たさが持続します。
誰でも簡単♪ 氷の器の作り方
見ているだけでも涼しげな氷の器は、子どもにもウケが良く、特別感も演出できます。そんな氷の器を作って夏の食卓を盛り上げましょう。使うものは、100円ショップなどで売られているフタ付きのフードカップ。大きさの違うものを2種類用意してください。

はじめに、大きい方のフードカップに水を注ぎ入れます。そこへ小さい方のカップを真ん中にくるようにおきます。
※水の中にカップを入れるため、気になる人はよく洗ってから使ってください。

中のカップはプカプカと水に浮いてしまうので、上から大きい方のカップのフタで押さえてしっかりとフタをします。あとは冷凍庫に入れて凍らせるだけ。カップから外す際は、まわりを手で温めたり、少しずつ水を掛けていくと簡単にはずすことができます。ただし、お湯でやろうとすると、メキメキッと亀裂が入ってしまうので注意!

今回は中にアイスを入れてみましたが、そうめんつゆや枝豆、冷奴などをよそっても涼しげで良いですね。
100円ショップへ行くと、おかずカップやスープカップ、ソースカップなど、さまざまな大きさのフードカップが並んでいるので、組み合わせ次第でいろいろな大きさの氷の器を作ることができます。同じように、フタ付きのドリンクカップを使えば、氷のグラスが完成♪
美しい! 美味しい! 透明な氷の作り方
カフェやレストランで出てくるドリンクの氷って、どうして透明で綺麗なんだろう? と気になったことはありませんか? 透明な氷ができる仕組みを理解すれば、家でも再現することができます。
透明な水が氷ると白く見える仕組み
家庭で作る氷は、中心が白くなっている場合がほとんどだと思います。これは、水の中に含まれる空気やミネラル、塩素といった不純物が水に閉じ込められたまま凍って、それが光の乱反射によって白く見えるからだといわれています。
不純物は氷よりも水に溶け込みやすいので、周りから凍っていく際に中央に集まっていきます。そこで、周りは透明、中央が白い氷ができるのです。
不純物が閉じ込められたままの氷が白く見えるということは、それらをなるべくなくすことが重要。そこで大切なのが、「沸騰させたお湯を冷まして使うこと」、そして「ゆっくりと凍らせること」です。
沸騰させることで、空気や不純物を減らすことができます。そして、低い温度でゆっくりと冷やしていけば、さらにそれらを外へ逃がしながら凍らせることができます。とはいえすべてが排出されるわけではないので、不純物を含まない水のみが凍った段階で冷凍庫から取り出してしまえば、透明な氷のできあがりです。
5ステップでできる透明な氷の作り方
1. はじめに、水道水を沸騰させて冷ましておきます。

2. 500mLの紙パックの中を綺麗に洗います。

3. 2に1の水を入れ、タオルで包みます。冷気を伝わりにくくしてゆっくり凍らせていくことが目的なので、冷凍庫内にスペースがあれば発砲スチロールやクーラーボックスなどに入れてもOK。
※写真は、厚めのフェイスタオルを2枚使用しています。

4. 7~8割ほど凍った段階で取り出します。我が家の冷凍庫の場合は大体30時間ほどでした。中央のドロップ型のところがまだ水の状態ですが、これで完成です。

5. 中から水がこぼれるため、紙パックから食品用ポリ袋などに移します。タオルでくるみ、めん棒などで叩いて割れば完成! 中まで凍っていないので、簡単に割ることができます。

左は普段の氷です。氷が違うだけで、いつものドリンクがワンランク上に見えてくるから不思議。家事や仕事のブレイクタイムや1日の終わりに、ちょっと贅沢な休息時間を過ごせそうですね。前もって来客が分かっているときにも◎!
ストレスなし。製氷室の氷がくっつかない裏技
最後は、以前トークバラエティ番組で紹介され、ちょっと話題になっていた、アイラップを使った氷の裏技です。

製氷室を開けると、氷同士がガチガチにくっついてしまっていて、ひとつずつ取れないというストレスを感じたことはありませんか。そんなときは、アイラップが便利。

やり方は、アイラップを裏返しにして、製氷室の底に敷くだけ。それだけで氷同士がくっつきません。

1週間ほど検証してみましたがパラパラです。アイラップの公式Xでも「何故こうなるのかはわからんケド」とポストされていますが、詳しい理由は分からないようです。
アイラップといえば、ピザ用チーズや刻んだネギを入れて冷凍しても固まらずパラパラのままという裏技が有名ですが、これも何か関係があるのでしょうか……。気になるところではありますが、この氷の裏技は、製氷室の開け閉めが増える季節、とても使える裏技ですね。
まとめ
文/渡邊倫子