白湯が体によいらしいということはなんとなく知っていても、何がどう体によいのかまでは知らないという人は多いのではないでしょうか。「ただのお湯でしょ」と、考える人もいるかもしれませんね。ところが、キレイな人や美意識の高い人がこぞって飲んでいるのには理由があるようです。その秘密や正しい白湯の作り方をおさらいします。
白湯とは?
白湯は、水を1度沸騰させてから適温まで冷ましたもの。つまりはお湯……ともいえますが、厳密にいうと少し違います。
お湯は、一般的に38〜40℃以上の温かい水を指し、必ずしも沸騰したものとは限りません。つまり、白湯とお湯の違いは、1度沸騰させているかいないかの違いといえます。
白湯は、1度沸騰させたものなので沸騰させていない場合のお湯よりも不純物が少ないのが特徴です。以前は湯冷ましとして赤ちゃんに飲ませることも多く、そのことからも白湯がお腹に優しいということが分かります。
白湯とアーユルヴェーダの関係
健康効果を期待して白湯を飲むのは、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」からきているともいわれています。
アーユルヴェーダでは、白湯は体を整える健康法のひとつと考えられています。自然界を支える水、火、風(沸騰した際の気泡)の3つのエネルギーが用いられていて、それをバランスよく体に取り込むことができるため健康に繋がると考えられているのです。
そのため、アーユルヴェーダ式に当てはめると、「火を使わないIHで沸かした白湯を白湯とはよばない」、「レンジでチンなんてもってのほか!」と考える人もいるようです。とはいえ、内臓を温めることが体によいことは変わりないので、いったん細かなことは置いておきましょう……。
白湯を飲むとどんな効果があるの?
白湯を飲むことを習慣にすると以下のようなさまざまな美容・健康効果が期待できるといわれています。もちろん個人差はあるものの、飲みはじめたその日から体の変化を感じたという人も! ほぼゼロ円というのも白湯の魅力なので、ぜひ試してみてください。
基礎代謝が上がる
白湯を飲むことで胃腸を直接温めることができます。内臓温度が上がると基礎代謝が上がります。基礎代謝が上がると消費するエネルギー量が増えたり、新陳代謝も活発になるため「痩せやすい体質になる」、「美肌につながる」など良いこと尽くし♪
免疫力が上がる
内臓を温めると体温が上がりポカポカとしてくるのを感じます。体温が上昇すると血流がよくなるため免疫細胞がくまなく全身に行き届き、免疫力が上がります。感染症が増える冬の季節は特に嬉しい効果ですね。
血行促進
上記の通り、血流がよくなることで酸素や栄養を全身にスムーズに届けることができるので、冷えやコリなどの不調が改善される可能性があります。
腸の働きが活発に
腸を温めることで「ぜん動運動」が促されるため、便秘の解消が期待できます。便秘は肌荒れや吹き出物などの肌トラブルにつながるため、特に女性にとっては天敵です。
白湯の作り方
鍋ややかんに水を入れて沸騰させて冷ませば白湯は完成しますが、浄水器の水やミネラルウォーターで作ればさらに簡単&時短!
水道水から白湯を作る方法
水道水は、残留塩素やトリハロメタンといった不純物を取り除く作業が必要なため、少々手間と時間を要しますが、ルーティーン化してしまえば特に負担を感じずに続けられるはず。
1. 鍋ややかんに水を入れて沸騰させる
1回で飲む量はマグカップ1杯分、150〜200mL程度を目安にしましょう。フタをして強火で火にかけます。フタをしておくと早く沸騰します。
2. 沸騰したら10~15分ほど煮沸
残留塩素やトリハロメタンなどの不純物を取り除くためには10〜15分沸騰させ続ける必要があります。
3. マグカップに移して50℃前後まで冷ます
白湯の温度に厳密な定義はありませんが、50℃前後が適温だといわれています。お店で出されるコーヒーは一般的に70度前後なので、白湯はそこまで熱々というわけではありません。
飲む際はぐびぐびと飲まずに、食道や胃に負担を掛けないようにゆっくりと飲みましょう。
浄水器の水、ミネラルウォーターから白湯をを作る方法
不純物が取り除かれた浄水器の水やミネラルウォーターの水であれば、沸騰する手間を省くことができます。沸騰させていないのに白湯と呼べるのか? という問題は出てきますが、ここでは健康効果を期待できる“不純物のない適温のお湯”=白湯として捉えることとします。
電子レンジで温める
我が家の場合、200mLの水だと600wで1分、500wで1分10秒ほどで適温よりも熱いくらいに温まりました。少しだけ冷ましてから飲みましょう。
電気ケトルやウォーターサーバーから直接注ぐ
電気ケトルやウォーターサーバーを使えば電子レンジで作るよりもさらに早く、簡単に白湯を飲むことができます。
ウォーターサーバーのお湯はコーヒーやお茶を美味しく淹れられるように80〜90℃の高めの温度設定にされている場合が多いので適温まで冷ましましょう。
温度の設定ができる電気ケトルの場合は、さっとカップに注ぐだけ。忙しい朝にもぴったりですね。
白湯はどのくらい飲めばよいの?
1回で飲む量はマグカップ1杯、150〜200mL程度。1日に3〜5杯を目安にするとよいといわれていますが、1日に1杯飲むだけでも体の変化は期待できます。まずは量にとらわれずに、習慣づけることを意識するとよいかもしれませんね。
また、厚生労働省によると、人が1日に必要な水分は2.5Lだといいます。そのうち食事から摂れる量が1.0L、そして体内で作られる水が0.3L。つまり、飲み水で残りの1.2Lを摂取する必要があるのです。ところが、多くの人がコップ2杯分ほど足りていないのだそう。白湯を意識的に1日に2杯飲めば水分不足も補えて一石二鳥ですね。
白湯はいつ飲むのがよいの?
1番のおすすめは、朝。寝ている間に失われた水分を補給できる上、内臓をゆっくりと温め目覚めさせることで、働きを促すことができます。
ただし、起きてすぐの口の中は口内細菌が増殖した状態。そのまま飲食をすると腸内環境を壊すなど、体に悪影響を及ぼすこともあるので、まずはうがいや歯磨きをすると安心ですね。
まとめ
文/渡邊倫子